メカトロニクスにうってつけの日

ロボット開発や研究活動に関するメモ

マイクロマウスへのときめき

 久しぶりにブログを更新。要請があって国際ロボット展のWorld Robot Summitブースに研究室のチームでレスキューロボットを出して、その流れで約7年ぶりにマイクロマウス全日本大会を現地で観戦できた。その余韻が強すぎてこの記事を書いている。ブログで発信するというスタイルも昨日からマウサーの方々のブログを読み返したりしている影響かもしれない。初めて参加したロボコンがロボトレースで、そこで出会った人たちからかなり影響を受けて今の自分がいる。

 

 「余韻が強すぎて」と書いたが、なんだかロボカップレスキュー参加後やNHKロボコン視聴後の感じとも大きく異なる。何故こんなにもマイクロマウスのことを考えてしまうのか。やはり憧れる。マイクロマウスは特殊である。僕がざっくり感じているマイクロマウスの特殊さとして大きく2つの要素を挙げてみる。

 

① 長年続けている人が多い

 基本的に家で一人で開発可能であるところが大きそう。機体サイズが小さい。広いに越したことはないが走らせる場所も比較的せまくていい。予算も趣味の範囲で済む。加工機を持っていなくても外注すれば部品は揃う。これは続けやすい。ゆえに社会人たちが趣味でごりごりに参加している。
 NHKロボコンロボカップレスキューも、基本的に参加者が入れ替わっていく。ロボカップサッカーはどんな感じなのか知らないが、レスキューは基本的に大学の研究室チームばかりであり、ロボット開発初心者の状態で研究室に配属された学生が学位研究の傍らに数年やって卒業していく感じなので、なんとういうか、層が薄い。

 

② ルールが変わらない

 これにより、尖った技術が蓄積される。そしてそのルールの出来が良すぎる(なので変える必要がない)。たいていのロボコンでは「今の技術レベルだとこのくらいがちょうど難しい」ということを考えて課題を設定することで技術レベルを引き上げている印象がある。あるいはそういうアップデートがうまくいかずに廃れる。マイクロマウスではプレイヤーたちが果敢に新技術を持ち込むことで進化し続けている。奥が深すぎる(最初にルールを考えた人が尖りすぎ??)。サイズ制約により採用できる「幅」が狭いので「深さ」方向に進化するしかないルールであるともいえる。そう捉えると毎年ルールが丸々変わるNHKロボコンなんかは「幅」が広めのロボコンといえる。
 また、他のロボットとの接触がないので「敵との相性」や「駆け引き」を考えなくていいのも純粋な技術が育つ背景になっていると思う。

 

 マイクロマウスもNHKロボコンもやったことないし、的外れなことを言っているかもしれないが、自分のブログだしまあよしとする。書くことで少し考えが明確になったが、要するにマイクロマウスの「純粋さ」に惹かれているのかもしれない。こんなにコンセプトがうまく成立しているロボコンは他に知らない。そしてその純粋さの中で激すご技術を発揮している人々に強く惹かれる。

 

 大会では「また出ないの?」と聞かれたりした。観戦してると「自分が出るとしたらどういう工夫ができるだろうか...?」とかつい考えたりもする。しかし、まぁ、出ないかな。これだけ惹かれていながら何故そう思うのか自問してみる。「優勝できる気がしない」というのはわりとある。別に優勝できなくても楽しめるなら出る価値はあるので、本当の要因は別にあるのだろう。たぶん僕はいろんなものを作りたい派なので「極める系」であるマイクロマウスは向いていないのだと思う。

 

 引き続き、マイクロマウスファンとして楽しみたい。全日本大会はなるべく現地で観戦したいな。そして僕は僕なりに本業(4月からエンジニアに転職予定)においてその分野での洗練されたものを作りたいと思う。ちなみに、加藤さんの「マウス十則」はマウスをしていなくとも常に肝に銘じている。

 

 最後に、旧ブログに掲載されていたリンク一覧をコピペしておく。リンク切れが多いのはしかたないとして、こういう形で技術交流があるのは本当にすばらしいコミュニティだと思う。ブログはTwitterと比較するとまとまって情報があるので遡って参考にしやすい。