メカトロニクスにうってつけの日

ロボット開発や研究活動に関するメモ

2018年度 日本機械学会奨励賞(研究)

 2018年度 日本機械学会奨励賞(研究)を受賞しました。

 

 この賞は、日本機械学会(会員数約3.5万人)に所属する35歳以下の若手研究者が対象で、下記のような人に贈られます。

機械工学または広く産業社会に関わる主として研究上の業績(印刷公表された論文等)をあげた新進気鋭の会員個人.(本人が中心的役割りを果たした業績に限る)

 新進気鋭だなんて、照れますね。ロボメカ部門の表彰委員会から推薦していただいたようです。経歴に書くようなレベルの賞をいただき、大変光栄に思います。「ヘビ型ロボットで梯子を登る」という成果が目立ちやすい研究テーマの恩恵もありそうです。

 

 4月18日に東京で授賞式があり、賞状と立派な盾をいただきました。

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また、リクエストがあって研究を1分で紹介する動画を作りました。そのうち機械学会のHPに載ると思います。

 

 下記サイトに2018年度の受賞一覧があります。

www.jsme.or.jp

 

奨励していただいたことですし、今後も研究励みます。

 

Disaster Robotics - Results from the ImPACT Tough Robotics Challenge

 参加した本がSpringerから出版されました。

link.springer.com

 

 ImPACT タフ・ロボティクス・チャレンジの成果を中心に災害対応ロボットについて書かれた本で、"Preparedness for Disaster" という章の "Development of Tough Snake Robot Systems" という節で僕の数ページ書いています。自分が英語の本の一部を執筆するようなことになるなんて、驚きです。著者特典でSpringerの本が安く買えるようになりました。

World Robot Summit 2018

 ほぼ書き終わっていた記事が下書きに眠ったままでした。World Robot Summit 2018の競技会に参加してきたという、昨年10月のお話です。worldrobotsummit.org

 

 World Robot Summit(WRS)というのは2020年を本大会として、4年おきに開催しようとしているロボットのオリンピックみたいなもので、今回行われたのはそのプレ大会です。経済産業省NEDOが主催している規模の大きなしっかりした国際イベントです。競技会と展示会があり、うちの研究室のチームは競技会のうちインフラ・災害対応部門の災害対応標準性能評価チャレンジ(STM)部門に参加しました。

そして優勝しました。優勝賞金1000万円!!

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 ロボット学会特別賞も受賞しました。

 

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 今年のロボカップジャパンオープンに出場したロボットはFUHGAという機体ですが、今回はその後半年弱で開発したFUHGA2で出場しました。開発はぎりぎりのぎりぎりで、FUHGA2が初めて地面を走ったのは大会に向けてロボットを発送する2日前でした。

 FUHGA2ではCFRPを使いまくって軽量化をしています。初代FUHGAに比べて10kg減量した35kgです。フリッパークローラが2本から4本になり、移動速度が倍になり、無線化しました。いろいろ改良されて一人前になったと思います。直前にしあがったにも関わらず、大会中ほとんど壊れることもなくタフに動いてくれました。また、東北大学田所研究室の多田隈先生チームに開発していただいた特性ジャミンググリッパーがついています。僕はチームリーダーとして開発全体をマネジメントしつつ、機械設計(特にアーム)、電子回路系、制御ソフト、オペレータなどを担当しました。

 

 この部門はロボカップレスキューと似たようなルールです。それぞれ異なるタスクがあるフィールドが用意されており、9種競技的な形式で予選が行われます。決勝ではそれらを一つのフィールドにして複数のタスクを連続してこなしていきます。この部門には全19チーム出場していました。予選第一ラウンドで11チームに絞られ、第二ラウンドでの上位4チームが決勝に進みました。予選はダントツで突破したのですが、決勝は緊張の20分一発勝負でぎりぎり勝ちました。世界大会優勝(そして1000万円)を賭けてオペレータやることもなかなかないのでいい経験になりました。

 

 以下、関連記事です。

www.kyoto-np.co.jp